OUR ALLIANCES

アライアンスで⽬指す未来

海外の一流デザイナー達を唸らせる
KOYORIブランドを支えるモノづくり

TENDO CO.,LTD.

株式会社天童木工 森山 馨様
取締役企画部長

世界と日本の創造力を形に
パイオニア精神で挑戦し続ける

創業以来80余年、天童木工は成形合板の技術を得意とし、様々な製品を開発してきました。「名作」といわれる椅子も生まれ、バタフライスツールやムライスツールは、ルーブルやMoMAなど海外美術館のパーマネントコレクションに選定されています。また、世界遺産にも選定されたブラジルの都市計画を手掛けたオスカー・ニーマイヤーとのコラボレーションなど、これまで海外に選ばれ評価を得る実績も重ねてきました。そうした実績もあり、業界でも「海外進出すべき」というお声をいただいていたので、海外市場へ目を向け、何かしらのアクションは必須だと考えていました。海外進出を経験している経営者から「実際に海外へ出ていくなら、信頼できるディストリビューターと組んだ方がいい」とアドバイスいただいていましたが、どこをどう探していいのか全くわからず。そんな時、私たちに声をかけてくださったのがマルニグローバルブランディング(以下MGB)でした。

MGBの提案は、KOYORIという新たなグローバルブランドを立ち上げ、国際的なデザイナーが起こしたデザインを日本の優れた木工技術で製品化するという大変面白いスキームだったので、これは乗らない手はない!とすぐに営業を統括している役員に掛け合いました。国際的に有名デザイナーとのコラボレーションは海外市場へ進出する千載一遇のチャンスです。新しい試みに参加するワクワク感と、世界にネットワークを持ち、マルニ木工で経験を積んだMGBの、ディストリビューターとしての手腕に期待も膨らみました。

私たち天童木工は、1940年に山形県天童市の大工や職人が集まり創業しました。戦後、最先端だった成形合板技術を習得し、いち早くその技術による家具づくりを事業化しました。剣持勇や豊口克平など、後に日本をけん引するデザイナーと出会い、著名な建築家との仕事が増え、丈夫で長く使える椅子を量産できる成形合板技術に特化したメーカーとして注目されるようになりました。

当時から培ってきた技術やものづくりの基本は今に受け継がれ、建築家やデザイナーの要求に応え、再現するノウハウは国内トップだと自負しています。難しい仕事ほど、知恵を出し合って形にしようという職人の矜持も高く、KOYORIの製品「Kawara」でいうと、アームのなめらかな曲板が、まさに薄いシート状の木材を重ねて曲げながら接着し形づくる成形合板だからこそ実現できた部分です。

長く続く会社だからこそ、新しいことへの挑戦に意味があり、KOYORIブランドへの参画もその1つです。会社としてのブランディング力・価値を上げるための施策でもあります。世界的なビッグネームと仕事ができるのは、それだけでモチベーションが上がります。実際に作っている職人から「カッコいいよね」と素直な声を聞くこともあり、作り手の自負・自信にもつながると感じています。

2020年にKOYORIのプロジェクトがスタートし、ローンチは2022年のミラノデザインウィーク。続けて2023年のコペンハーゲンと、最良と思えるブランド発表の場の設定や、描くスキーム、それを実行できる力はMGBならでは。自分たちだけでは成しえない案件でしたが、デザイナーとのコミュニケーション、試作品の輸出手続きなど不慣れなことも全てMGBのサポートでスムーズに進んでいます。現在も新製品を開発中で、一般的な日本人とは違う海外の大柄な人でも安全に座れる強度や耐久性、輸出先の気候に合った材料の調整など、様々な課題を検証しながら試作に取り組んでいます。KOYORIの椅子は、構造自体が初めてトライするデザインばかり。苦労もありますが、日本のものづくりと海外デザイナーのコラボで天童木工の技術が花開いたと実感しています。

KOYORIは、今後、参画する企業が増えることで、家具だけにとどまらず、もっと大きな可能性を秘めたブランドです。MGB は海外のマーケティングもきめ細かく、国内のサポートも手厚い。日本の優れた技術を持つメーカーとアライアンスを組み、デザインの細部まで再現できるのは海外のデザイナーにとっても魅力的なはず。世界のトップデザイナーのメイドインジャパンで競争に勝てるラインナップを揃え、海外でも国内でも勝負できればと思っています。海外とのビジネス、市場の活性化に期待しつつ、成長し、今後もチャレンジし続けていきたいと考えています。